エリカゆうのblog

オモコロ杯用につくりました!

「プ高女」の話をいっぺえしてえよな~~~~~〜〜〜~~!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!



 

こんにちは!初めまして、エリカゆうと申しm

る っ っ っ っ っ っ せえ!!!!!!!!!!!!!!!!!

しゃーぁらくっっっせたわけたわけたわけ~~~~~~~~!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

 

 

 

名など必要ない……俺はこれから貴公らに

「プライドの高い女性キャラクター」(「プライドが高くてありがて~~~チャイコ〜〜〜〜(最高)な女性キャラクター」でもある)

の話をする者……。

 

それだけを心に刻みつけ、

 

READY……

 

 

 

GO!!!!!!


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〇プライド高いってどゆこと?

はい、えー。プライドの高い女性ってなんだばだ、ダバダバダ、ということですけれどもー、

 

みなさんも嗜まれるでしょうアニメ、漫画、小説や舞台……など、フィクションの創作物におよそ不可欠なキャラクター

虚構の存在であるキャラクターはたいてい、浮世離れした特徴的な造形をしていますね。

 

  • シャツのボタンを一番上まで留めたまじめな生徒会長
  • 休み時間に一人でラノベ読んでるヲタクに荒っぽいながら話しかけてくれるギャル
  • 学会を追放されてなお地下で倫理観がぶっ飛んだ非合法の研究を続けている目つきの悪いマッドサイエンティスト

 

どれもそんなやついねーよ!と言いたくなってしまう極端な設定(ときには容姿も)ですが、その反面、愛着がわくほどにくり返しくり返しわたし達の眼の前にあらわれ続けるテンプレの住人

このテンプレの世界にはいままで……、いまいち日の目が当たらなかったものの、確実に堅固な地盤を築き領野を広げ、文明の塔を高くしていた国があるのです。

 

フゥ。

 

おわかりですね?

 

 

そうそれが「プライドの高い女性」キャラクターたち!!(略して「プ高女」)

 

(筆者が過去2年ほどことあるごとにオンラインでもオフラインでも暑苦しく語ってきても一向に定着しなかった……、

せやから今日は、

堪忍やで、

ワシやったるさかい見といてや、

おっかさん)*1

 



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(独断に基づく属性勢力図)

 

 

 

「プライドが高い」と聞いたら、みなさんは何を思い浮かべるでしょう……?手始めに、「プライド」を辞書で引いてみました。

 

「プライド」

自分の才能や個性、また、業績などに自信を持ち、他の人によって、自分の優越性・能力が正当に評価されることを求める気持。また、そのために品位ある態度をくずすまいとすること。誇り。自尊心。自負心。矜持。*2

なんとな~~~くはわかるけど、ぜ~~~んぜん具体的じゃねえ〜〜〜〜〜〜(辞書ってそういうもん〜〜〜〜)

でも、いくつか鍵になりそうな箇所がありますね。「自信」「他の人によって(略)評価される」「品位」……。

つまり「具体的な根拠に基づく自信を持っている人が、それを隠したりせずかえって相応にふるまうことで、他者に認められている(or認められようとする)」ことでしょうか。

これでもまだ難しいですが……。

ともあれ「プライドが高い」というとき、こうした特徴が強い人、といちおう言えそうです。

 

これをフィクションのキャラクターに当てはめてみるとどうなるか……?なにが見えてくるでしょうか。

ふんふんなになに……?

 

  • 基礎スペックが高く、そのことでふんぞりかえっている
  • 他人と馴れ馴れしくしない孤高の存在
  • 髪巻いてそう。2期からでてきそう
  • 組織の方針に強い信頼を寄せている帰属意識の強い人
  • 逆に、他人の言うことを聞かない
  • 選ばれし戦士
  • テニスうまそう
  • ありあまるマネー(money)の力で言うことを聞かせるお嬢様

 

ええやんけ……おぉ……。やればできるやん!!いけそうやな!?

大丈夫そうか!?なぁっ!!

じゃあもう今日帰るか!!いけるな!!なぁっ!!ワシいなくても安心できるわ!!なぁっ!?ほなな!!

 

 

オッサンは帰った・プ高女三傑の発表

知らないおじさんは帰ったよ。ところでみなさんの挙げてくれたプ高女(※)*3予想、なかなかイイ線いっていましたね……!

以後はより詳しいプ高女の掘り下げに入っていくけど、そのためにも具体例として、筆者エリカが認定済みのプ高女三傑を発表するね!!

 

デデンッ!

はぁ!!そうだよ!!俺の推しキャラをプレゼンしたいだけだよ!!なんだよ!!嫌なら帰れよ!!バカ!!

 

デデンッ!

嘘じゃん!!ゴメン!!マジでゴメンて!!帰らないでって!!たぷたぷの餅巾あげるから!!配るから!!

 

デデデンッ!!


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パニーニ

 

 

 

ただ……。

さきに申し上げておかなければいけないことが、一つだけ……。

 

筆者の「プ高女」観には、ある重要な一つの要素を大黒柱としております……。

これから述べてまいります「三傑」ももれなくその要素を備えています。

 

そうそれは……


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キレ……!?

キレってなに!?どういうこと!?新世界の神になりたいの!?

 

別にわたしにキレる女性に著しく甚大に喰らってしまう嗜癖がある(はわわ~消し消しなのです〜)

……というのも!キレ抜きにはプライドの高低は計れないとすら思えるほど、この記事の本質にどっぷり関わってまいりますので、「キレポイント」「キレシーン」とともにたっぷりフィーチャーしてお届けします。

 

くわしくは後半解説します!とりま先に読んでくれ〜〜〜!!

 

それでは3位から!!(※新世界の神はキラ)

 

3位:有栖川樹璃(「少女革命ウテナ」より)

少女革命ウテナ」は1997年放送のテレ東系列のアニメ作品。

  • 【あらすじ】幼い頃に助けてくれた「王子様」に憧れて男装の少女となった中学2年生の天上ウテナは、謎多い鳳学園で出会った同級生の姫宮アンシーを助けたことによりアンシーこと「薔薇の花嫁」を巡る決闘ゲームに巻き込まれてゆく――。

 


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有栖川樹璃*4

 

 

有栖川樹璃さんは鳳学園の高等部一年。フェンシング部の部長であり優れた容姿を活かして高級ブランドのモデルも務める。さらに生徒会の一員でもあるため生徒、教師ら双方から注目度は高く、フェンシングでの活躍では取り巻きの生徒からキャーキャー言われたり、その強い権限から教師を牽制してウテナを助けるなど(ア、アニメにしかないやつ〜〜〜!!!!)、文武両道どころではないもはや地上の栄光総ナメ妖怪か!ってな完璧超人。

 

が、butしかし。駄菓子菓子。

彼女もまた「薔薇の花嫁」を手に入れるべく決闘ゲームに名乗りを上げる、決闘者(デュエリスト)なのでした。

「薔薇の花嫁」を手に入れた決闘の勝者には、望む願いがなんでも叶うという奇跡が与えられると言います。そんなおとぎ話のために姫宮アンシーをトロフィーのようにモノ扱いするなんてバカげていると言うウテナに対して、有栖川樹璃さんもはじめは同調して手を組む――決闘は避けられたかのように思えました。

意気投合した有栖川樹璃さんはウテナへ「なぜ男装しているのか」と優しく問いました。ウテナはこれまでの経緯を語って、最後に「自分にとっての王子様との繋がりを信じたいから。それこそが奇跡みたいなもの」と結びました。

 

直後、

有栖川樹璃・豹変――。

ウテナの腕を捻り上げ、組み伏せようとします。そのときの顔がこれ↓

 


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(星空を背景にヒャッハーしている有栖川樹璃さん)

 

ブチトんでもーとるやんけ。そして以下の長ゼリフ。

薔薇の刻印を、この指輪を捨てろ!
気持ち悪いな……!
つまり君の気高さとやらは、好きな男に言われてやっているだけの猿芝居なんだ!
そうとも、薔薇の花嫁を奪い合うなんてことも、君の言う王子様のセンチメンタルと同じで、馬鹿げたことさ……。
だけど、その資格があるのは、本当に気高き者だけだ!
君のような娘には薔薇の刻印は似合わない!*5

急にロードオブザリングのゴラムになっちゃった!!??

 

(関係ないけど彼女のCVは三石琴乃さん。このシーンの演技はとてもセーラームーンと同じとは思えない凄みがあります……)

 

どうやら、「奇跡」というフレーズが彼女の逆鱗に触れたようなのです。

 

彼女には長く密かに恋い慕い続けている人物がいるのですが、想いを明かすどころかハナから成就を諦めてしまっています。それこそ「奇跡」でも起きなければけして結ばれない、しかし奇跡は決して起きないのだから自分は思いを抱え続けなければいけない……。

彼女の内心は複雑によじれており、そこに幼い頃の王子様とのロマンスを純粋なままに語る天上ウテナがあらわれます。しかも彼女は決闘者として自分の後からあらわれたにもかかわらず対等の権利を有しているかのような落ち着きようで「奇跡」の有無や願望を語りました。

これがトリガーとなって、有栖川樹璃さんは自分の矜持にかけて、なにがなんでも天上ウテナを敗北させ、「奇跡」などこの世に存在しないことを証明してみせると誓います。

 

それにしても……。それまで優しかった完璧超人なお姉様が、豹変して理不尽な暴言を浴びせかけ襲い掛かってくる、これはホラーです……!だがそれがいい……

なにもかもかなぐり捨てて本能をむき出しにした獣の側面を垣間見せる展開はさながら200km/hで突っ込むギャップのヘアピンカーブ。

ありがとうございます……ありがとうございます……こんなん見たらワシ、ワシ……

 

 

感謝の国アリガンティア、開国……!!

 

 

開国してしまいました。

 

ちなみに、アニメ「少女革命ウテナ」では以後も何度か有栖川樹璃メイン回があるのですが、そのたび必ずプライドがズタボロにされる様を視聴者に晒します。制作、樹璃さん嫌いか?しかしそれでもなお地に堕ちない格の持ち主、有栖川樹璃……!

 

 

続いて2位!!

 

2位:小笠原祥子(「マリア様がみてる」より)

マリア様がみてる」はコバルト文庫から1998年にスタートした少女小説の大人気シリーズ。


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マリア様がみてる」書影*6

 

  • 【あらすじ】明治創立の由緒あるカトリック系お嬢さま学校「私立リリアン女学園」を舞台に、実質的な生徒会の役割を持つ「山百合会」に集う女生徒たちの物語。この高等部には「姉妹〈スール〉の誓い」という慣習があり、上級生が気に入った下級生にロザリオを渡すと姉妹が成立。上級生の卒業までふたりは姉妹のように上級生が下級生を公私にわたって清く正しく導く――。
  • で、平々凡々な主人公の福沢祐巳(書影左下)がある日ひょんなタイミングで密かに憧れていた山百合会の「紅薔薇のつぼみロサ・キネンシス・アン・ブトゥン〉」こと小笠原祥子(書影右上)から一方的な「姉妹宣言」をされて――!?という話。

 

はいっ、プ高女の2位はお騒がせな紅薔薇さんとなりましたねー。

あらすじのように、突拍子もないお騒がせな展開になったのもひとえにこの方のプライドの高さゆえなんですが、さっそく問題のキレ・シーンがコチラ!

 階段を上り切ると、右手にビスケットのような扉が現れた。先頭の志摩子さんに続いて扉の側までやってくると、中から突然耳をつんざくような声が聞こえてきた。

「だからって、どうして私がそれをしなければならないのですか!」

 扉越しだから、これはそうとう大きな声だ。薔薇の館に大声はあまりそぐわないのではなかろうか、と思っていると、再び同じ声が叫んだ。

「横暴ですわ! お姉さま方の意地悪!」

*7

 

こちら、以後37巻にわたる大長編シリーズの第一話開幕わずか40p若のシーンである。

 

気前よくキレてんなあ!!気持ちがいいねい!!新装開店キレ女のバーゲンセールか!?

 

そんなだから経緯ってほどの経緯もないのですが、主人公の福沢さんが朝に偶然言葉を交わしたことで(※伝説的な「タイが曲がっていてよ」の場面)祥子さまに会う用事が発生し、気後れ半分期待半分で山百合会本部に赴いたところ、憧れの祥子さまがブチギレていて、どゆこと???となったわけです。

 

この祥子さま、まず裕福な家庭の子女が多く通うリリアン女学園のなかでも屈指の富豪の家庭。習い事をいくつも掛け持ちし芸能文化その他に長けた純粋培養のお嬢様。つねに淑やかで生徒のお手本、そのため礼儀や身だしなみには自他ともに厳しく周囲の人間の不品行には眉を顰めることしばしば……。

そんな祥子さまは山百合会主催の文化祭について3年生のお姉さま方3人と対立し、「妹も持てない祥子に発言権はない」とからかわれてプッツン。じゃあええわい連れてきたらええんやろ誰でもいいから引っ張って来て妹にしたるわい!!と扉の前にいた福沢さんを勝手に妹認定し、かくして福沢さんはめくるめく「マリみて」の物語に巻き込まれてゆくのでした――。

 

じつは祥子さまにそれまで妹がいなかったのもプライドゆえ。彼女のお眼鏡に適う候補もおらず、自ら寄ってくるあわよくばな下級生にはぴしゃりと冷たい一瞥でスルー。それでも山百合会の後継確保のため、唯一目に止まった一人(先程登場の志摩子さん)に声を掛けるも断られていた折、3年生から寄ってたかって攻め立てられ、品行方正で完璧な彼女のお面は脆くも剥がれました。

しかも論争のポイントは祥子さま唯一の急所「男嫌い」。それで大人しくなる祥子さまではなかったわけで、痛いところを突かれて一転「何が何でも拒否してやる」という反撃にでたわけでした。

 

逆上した彼女のおよそお嬢様らしくないむこうみずな行動は、3年生に目にもの見せてやろうという子供っぽさが目に付きます。そのうえでなお自分の意思を貫き通そうとする頑固さ芯の強さもあり、クールな彼女が秘めていた激情を垣間見せていますね。

なにより「お姉さま方の意地悪!」の一言が奮ってるぜ!!

このワンフレーズで溢れ出る育ちの良さ(((良さの山百合会幹部、ヨサ・キネンシスじゃん……)))とプライドの高さ、その脆さ、幼さを示していて見事!!

芸術点の高さからランクインとなりました。

 

ちなみに、小笠原祥子さまのキレ様はシリーズ5巻「ウァレンティーヌスの贈り物」内、「びっくりチョコレート」でも見られます。下級生相手に感情抑えめ厳しさマシマシでゴン詰めしている様子は緊張感バツグンです。助かる……。タスカリニアデビル……。

 


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*8

 

 

ラスト1位〜〜〜!!!!

1位:瀬川おんぷ(「おジャ魔女どれみ」より)

おジャ魔女どれみ」は2001年放送の東映アニメーションオリジナルアニメ作品。

  • 【あらすじ】小学3年生の春風どれみがふとした拍子で正体を見破ってしまい、魔女界の掟により魔女ガエルとなってしまった魔女・マジョリカの呪いを解くため魔女見習いとなってお店を開いたり子育てをしたりして魔法の腕を上げていくストーリー。年次ごとに変わる新シリーズにつれて主人公らも成長してゆき、4年間のアニメ放映終了時には登場人物は小学6年生になっている。

 

まっ。

まっ、ね。大人気アニメですわ。

いまで言うニチアサ枠を4年にわたって務めた人気シリーズ。バトル路線に舵を切ったプリキュアシリーズの成功と継続により影を潜めたことによりかえっていまなお燦然と輝きつづける日常ファンタジー魔法少女もののドデカイ金字塔ね。*9

 

このシリーズを語るにあたって欠かせない、主人公春風どれみに勝るとも劣らない人気を博した*10キャラクター、そ れ が

「 瀬 川 お ん ぷ 」

なんですね~。



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*11

瀬川おんぷさん……みなさんご存知ですよね……。

第1シーズン終盤に転校生として登場し、すでに大人気チャイドル*12として全国的な有名人だったにもかかわらず、人当たりと愛嬌の良さでクラスメイトをメロメロにします。どれみも「芸能人と友達になれてラッキーだよ〜」なんてヘラヘラしていましたが、じつは芸能人は仮の姿、彼女もまた魔女見習いだったのです。

しかも彼女は禁術である「人の心を変える魔法」を自分のために多用して、芸能活動が有利になるよう暗躍します。それを咎められても、「わたしは特別であなたたちとは違うの」と意に介さず。みなさんはこのへんの、可愛さと魔法を武器に傍若無人ぶりを見せつける「小悪魔」キャラで記憶しているのではないでしょうか?

 

さにあらず!

この後第1シーズンですでに、彼女が孤独を抱える身勝手なだけではないキャラクターだったことが明らかになり、かつ命を賭してどれみたちを救ったことでわだかまりもなくなり物語は円満解決。以後の第2シーズン「おジャ魔女どれみ♯」からは性格もすっかり丸くなりレギュラー入りしました。

 

特筆すべきはここ!

♯第34話「たこ焼きは仲なおりの味」から!!

 

さにあらず〜sun-in-a-rise 〜日はいま昇らんとす〜

……へへ、たこ焼きって確かに……仲なおりって味するし健康にもいいよな……

 

ハッ、取り乱しましてスミマセン。

 

♯34話。魔女見習い仲間の妹尾あいこさんと瀬川おんぷさんは冒頭からギスギス。軽口のつもりで言った言葉に相手は思ったより食って掛かってきて、売り言葉に買い言葉で険悪なムード。どれみと藤原はづきさんが仲裁に入ろうとしてもお互い「相手が悪い」と譲らず……まさに子供の喧嘩ですが、この時彼女らは小学4年生。と、等身大……。

一度は両者とも歩み寄るそぶりを見せましたが、タイミング悪くかえって相手のささくれだった気持ちを逆撫でしてしまい双方撃沈。いよいよ事態は壊滅的か?どれみとはづきちゃんもお手上げの膠着状態……。

というのが、下記のシーン。

 

手前左がおんぷさん、右があいこさん。

 


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バチクソのキレ。

 

ありがとうございます!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

おかげ様で生きております!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

 

えっ……こんなキレ方あり?いいの?4年生よよよよよ?

手を合わせて机に乗せて脇を締め、顎をひいて背筋をまっすぐに伸ばし頭部はビタとも動かさず、ひたと教室の正面を見据えています。

その優れた容姿もあいまって、まるで椅子に据えられた動かない人形か塑像のようにも見えますが、そこに尻をつけたが最後テコでも動かないという垂直方向への意思と、内側から溢れ出しているピリピリした緊張感で人間のそれにほかならないどっしりした質量を感じさせます。

 

 

なによりその正面に釘付けられた両の視線!!

強い意思で見つめているのに違いないのに、その目はなにも見ていないのです!!

ここにあるのはもはや

「なにも見まい」

「絶対に隣のやつのほうなんか向くまい」

「そして絶対に話しかけないし話しかけさせない」

という鉄の意思……。

 

おわかりいただけましたか?

 

言葉で語らないことで、かえってその立ち居振る舞いを「高いプライド」の具現化へと昇華させています。そして若干小学生にしてここまで他人を寄せ付けない圧倒的な「キレ」の"圧"を放出できることに脱帽しました!!堂々の第一位です!!

 

むろん、こうしたキレ方を可能にしているのは、喧嘩の相手を許さない、ナメられたままの自分でいるのを許さないというプライドの高さによるものですが、こうした頑なさには逆に、年相応の幼さも感じませんか……?

狭量さや余裕の無さから、彼女は自分で自分の行動を縛っているように見えます。

この例で、「えっそんなことでキレるん……?」と引いてしまった方もいるかもしれません。待て待て待て待て。そのギャップがじつはものすごく重要だから……。

 

 

こうして3人を例にとって見てきましたが、もしかしてプライドの高さって、キレるときにむき出しになるもの……?

 

ちなみに、瀬川おんぷさんはシリーズ番外の「おジャ魔女どれみナ・イ・ショ」8話「リコーダー事件!〜優等生のないしょ〜」でも同様のキレ方(教室の机で頑なに口を閉ざす)をしています。癖?また小学6年次のシリーズ「おジャ魔女どれみドッカ〜ン!」5話「素顔のおんぷ」では、仕事にかけるプライドの高さから仲間にガチ説教をかます姿が見られます。惚れるぜ……。

 

閑話休題


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パニーニの遠足の朝

 

 

〇講義編~プライドとキレ女~

はい!前章では3人、みんなそれぞれ特徴的ない〜〜〜い「キレ」を見せてくれました……。寿命が伸びた……。

 

ここからは、保留にしておいた問題なんでキレが重要なの?に入っていきましょう。

なんでキレるの?そんなキレてばっかいたらもはやプライドの高さからかけ離れてしまうような……ただの高血圧みたいにならん?

すこし文字が多くなりますが、いよいよ大詰め!あと少し、がんばっていきまっしょい!!

 

 

☆プライドの誕生

「プライドの高い」キャラクターには共通して持っている1つ、あるいは2つの条件があります。

まず1つ目が

①出生
「高貴な家柄や恵まれた資産、先天的な能力や優れた容姿」
です。

 

これは本人の意思にかかわらず、生まれついて持っている条件ですね。

裕福な家庭に生まれ育った場合はその経済力を元手により多くの教育を受けることができるし、一般的ではない体験をすることもできます。*13

また特殊な能力や容姿など、これもその希少性のために周囲や社会から重宝されて非日常的な扱いを受けるのが当然になるでしょう。

これらがそのキャラクターに与えるのは「特権意識」です。

自分は社会的に特殊な位置にあって、その他の人間とは違う……。それゆえ横暴や小悪魔的な振る舞いも許容されるし、よく働く場合は親切心からくる施しやノブレス・オブリージュ的な行動を当然に振る舞えることになります。言い方はアレですが周囲の人間は「凡人」で、自分はその上に立つ選別された者である、という意識。

 

2つ目は

②努力
「個人的に切実な目標を掲げている」

ことです。

これは1つ目の先天的なものとは違って後天的。

本人がどこかのタイミングで将来への希望や願望を見つけ、そのために努力を欠かさずに一般的に求められる能力を超えてなお、目標にむかって一直線、ストイックに歩み続ける姿勢ですね。

そのたゆまぬ上昇志向から、本人には「自分は他の人間とは違う」という意識が芽生えます。そこから「だから努力を辞めることはできない」とさらに自分を奮い立たせる原動力となる場合もありますが、別に「だから自分のレベルに至らない周囲の人間は凡才なのだ」と傲慢な考えになる場合も。

どちらにしてもやはり特権意識的な特殊なメンタルを得ることになります。

これが、「プライドの高い」状態です。

 

一般的に言って、生まれ持っての特殊な条件がないキャラクターでも目標を見つけて修練するなかでプライドを獲得する場合もありますし、恵まれた環境がブーストになってより高い目標を目指すという、1つ目と2つ目を兼ね備えたキャラクターもいます。第一条件だけのキャラクターもいるでしょう。


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簡易図(後述する人名を含む)

(プレッツェルみたいなかたちしてるね////)

 

 

☆分裂するプ高女

ここまでで、プライドの高さが特権意識と結びついていることがわかりました。
しかしそうしたキャラクターが成長してゆくのは思い通りにいくことばかり――ではないのですね。

 

特権意識または上昇志向は、抱えている本人にとって常に現状を維持する、あるいは現状以上の自分でなければならない、というプレッシャーとして自分に跳ね返ってきます。

他人を凡人として自分と区別するという意識に成り立つアイデンティティーである以上、自分を上位に置く「他人との距離」を確実に保たなければならないのですから、そうしたプレッシャーが生まれるのは必然です。

 

そうした距離があってはじめて他人に与えられる優しさも、反対に過剰に露悪的に、あるいは厳しく振る舞う冷たさも生まれるのですが、言ってみればこれは自分の本来の意思や能力を超えた対人用のペルソナです。

そしてペルソナは自分が高みに上ろうとすればするだけ、自分に課す厳しさも他人からの期待も高まってゆくのでどんどん強固なものになります。

言い換えれば、本来の自分と求められる評価とのあいだの余白がどんどん広がってゆきます。

 

その本人しかわからない余白が、彼女と他人を隔てる孤独の深さでもありまた、他人につけこまれる急所にもなるのです。

 

 

 

基本的なことですが、「ペルソナはそれがペルソナであることを隠し通さなければ意味がない」ことは重要です。

 

ここでのペルソナは、常に上昇を目指す、最低でも現状を維持するために強固になり続けようとするものでした。

自分から乖離したペルソナはもはや本人の意思とは別に、「常に最高(な硬度)たれ」というテーゼ(命題)を持っており、ペルソナがペルソナにむかって自らを強固にしようとさせているのです。

自分を高めるにせよ、守るにせよ、もともとは自分の目的から生まれたペルソナですが、いつしか自分の意思から切り離されて独立し、それ自体のために存在し、それを可能にさせるために「自分」を動かすのです。

あえて言えば、そうした自立した回路を持たなければ「最高の自分」という他者からの評価を維持することはできないために、馬車馬のように半永続的に自分を動かし続けているのですが、ここではもはやそうした理由や目的を持たず、「自分のための自分」という閉じた永久回路が成立していると言ってよいでしょう。

 



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☆余裕がない・煽られ慣れてない・キレやすい(可哀そうな三本柱……)

ここでペルソナが自己を守ろうとするのは本能的な働きです。

 

「プ高女」の場合ペルソナは、やはり彼女と凡人を分けることを前提に他者からの視線にシビアな標識(環境や能力という要素)によって成立します。

もともとが人間なわけで完全無欠ではいられないもののはずですが、しかしその標識が完璧であることが彼女に特権的な地位を与えている以上、もはやそれ抜きでは彼女のアイデンティティーは成立しません実質的に従属状態です

そして、これがもはや過剰な仮面であったり、キズがついていたりすることが明るみにでれば、彼女は立ち位置を失い深淵に飲み込まれてしまう――すなわちアイデンティティーの危機となるために、彼女は(じっさいのところペルソナは)、ペルソナを危機に侵さないためにより慎重に他人との距離を置くことになります。

 

一旦まとめです。

当初は特権意識から立場の違いを明らかにしていた他人との距離は、自分を守るために彼女の側から離れてゆくことで自然に生まれる意識上、二重の構造を持つことになります。プライドの高い人物が周囲から際立って見えるのは、じつのところこうした斥力を彼女の方から発しているからなのでした。

 

前者の距離は文字通りの空間的距離、つまり高貴さや尊さに慄くことで、周囲の人間が自発的に遠巻きを作るように立つ位置に隔絶が生まれることとイメージできますが、後者の距離というのはプ高女当人の警戒心や拒絶、孤独に発する心理的なものです。

そこで後者についてはどう他者との距離を判定するのかと言うと、恐らく個々に異なるキー・ワードがあります。

有栖川樹璃さんで言えば「奇跡」、小笠原祥子さんの場合は「男嫌い」など……直に逆鱗に触れてしまう禁句があるわけです。あるいは、自らの所属にとても誇りを感じている人物が、他者にその帰属先を貶されたりする場合には、やはり彼女は烈火のごとく怒りだすでしょう。

よって彼女はあたかも防犯センサーのように気を配りプライベートを晒すことを警戒しながら、同時に特定の急所への襲来にもっとも鋭敏にならざるを得ず、彼女のパーソナルスペースは複雑に、異様なかたちに拡張していることになります

 

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(↑じっさい筆者もいまこんななってます)

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☆いよいよキレるんです。こっから!こっから大事!!

もし彼女のペルソナに触れようとする者があらわれたら――それは大抵主人公がやらかすわけですが――その急襲に対して、彼女は反射的に全力で異分子を除こうとします。

それはまさしく全身全霊を賭けた「キレ」となります。そこで「勝つ」ことがなければ明日の自分はない、というように……。生物に例えれば、恒常性を保つためにウィルスを撃退するべく体温を上げるような状態でしょうか。

 

しかし「キレ」の真の価値はそこにはありません。

副次的な、しかし逆転的にもっとも注目すべきダイナミックな効果が生まれてきます。

 

ペルソナはそれ自体では意思も身体も持ちませんから、「ペルソナを守るために」怒るには、被り主本人が出てくることになります。言わば姫に仕える剣士。主人が侮蔑された際に「無礼者!」と飛び出してきて姫に「下がれ」と言われるやつで、要は護衛に駆り出されている下位の人格です。

しかしながら「〇〇のために怒る」には自分とその対象、自他の区別がなければ不可能ですから、ここでは自分とペルソナを切り分ける「対象化」が行われます。

 

対象化は自分と「それ」のあいだに距離を作ります。彼女は激しく猛るさなかに、じつは内側では巧妙に外科手術のような手付きで自らを2つに切り離しているのです。

そうしてそれまで主人格をペルソナに明け渡していた【感情的な】人格が一気に浮かび上がってき、一時的にもせよ手綱を握ります。 

 

さて、「ペルソナに触れる者を排除する」という名目を得てあらわれるのは、その他の価値観に対してニュートラルでありつつ「他者の上位に立つ」というテーゼ/アイデンティティーを最優先させる人格――「超バトル人格」です。

 

 

 

外的を排除しかつ自分優位の序列を相手に知らしめなければ気が済まない、非常に闘争的な「勝ち」にこだわる凶暴性があらわになります。ここだけ言ってるとヤベエやつみたいですが、ヤベエやつでいいんです。それだからいいんです。

いままでさんざん御託かましてきましたが、能力あるいは成果至上主義のこの社会において「勝者」の地位を持つ者の本性をあらわした訳です。バーサク状態です。けっきょくのところ、そうして彼女はいままで勝ち残ってきたんですから!!

この状態は「怒り」と合目的性を原動力としており、そこにおいてはもはや他者からの評価なんて構っていられません。理性をかなぐり捨て、ただ自分のテーゼにそぐわない者を地面にバチクソキッスさせるのみ……ここにきて彼女はペルソナが前提としていた「他人」や「世間」から解放されました。ヤッタ~~~!!!目的のために目的を見失った無秩序状態……カッケェ……。

 

☆「プライドの」果てに――

「制約と誓約」あるいは「縛り」「術式の開示」*14を想定していただければわかりやすいと思いますが、このリミッターが外れたキレ・バトルモードの人格はめちゃ強いと同時に彼女にとっての未知のステージです。

 

制限がかかった状態では見られなかった人格は、「抑えつけられていた本来の人格」というよりは「脱皮を迎えた新しいステージの誕生」「変身」というニュアンスに近く、むろん一時的な状態にもせよ、衝動的な怒りに伴った高揚は、じつはふたたび光のもとに帰ってきた、生まれ直した人格の歓喜の表現と言ってもよいかと思います。

 

それは惜しみのない生命力の漏出であり爆発……。深層心理的には決死に臨むスタンスかもしれません。そのくらいの覚悟だからこそ切り拓ける未来がある……。

そう、つまり彼女にとっては自己防衛、受け身の行動かもしれませんが、かえってそれによって以前の閉塞した自己の世界、他者を許容できずに怯えて頑なになっていた状態を喝破していることになります。

 

小笠原祥子さんは山百合会の面前で痴態を演じましたが、そうして自己をさらけ出したことで(ストーリー的にも妹を得て)周囲の人間との距離を縮めて信頼を得ることになります。

瀬川おんぷさんはプライドを傷つけられたことで、妹尾あいこさんとサシで喧嘩別れ寸前までいきましたが、そこまでいったことでかえって関係を前進させます。

 

言ってみればさらなるメタ認知の獲得でしょうか。怒ってしまえばそれで終わりで、けろりとしていることが誰にもあるように、今度の「対象化」は「キレた自分」をスタートにすることになり、次からは「ペルソナを演じる自分」と「そこを通して生まれた自分」からはじめていけるようになります。

一回キレてみて、時計の針を誕生以前まで戻してみないとわからないこともあるということでしょうか……。見えてこない展開もある。そう、プ高女はキレることで自分の殻を打ち破っているのです。本当の人生がそこからはじまるのです……。

 

〇講義編まとめっ!

 

このキレによって得た「豹変」が、彼女に互いに異なる両極端な側面を与えたのにお気づきでしょうか?

常に冷静で優しく、あるいは淑やかで気品に溢れ誰からも尊敬されている「表」――。

そして圧倒的な実力とともに激情を湛え闘争的で超新星爆発しているバーサクな「裏」――。

こんなまるで混ざり合わない即死レベルの交互浴を一身に飼いならしているのが、「プ高女」なのです。ありがたいですね……。*15

 

またこうしたキャラクターにおいては、単に二面性を宿している、多重人格のような並列的な存在なのでなく、やはり「プライドの高さ」が分水嶺のようにふたつを分けており、交じり合うこともなければどちらかが欠けることもない、むしろ表裏や盾と矛のように互いの存在を前提として影響を同時的に与えあっている相互補完的なもの、と見るのが正しいでしょう。ふたつがひとつ。どちらもがプ高女であり、ふたつでひとつになってプ高女です。

 

 

 

 

閑話休題の2

☆ここに七日かけてこむら返った上半身を内側に渦状に変形してしまって幕が閉じたステージの中央に取り残された先代の歯医者さんのイメージ入れる☆


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〇続いて、無いCMです。

 

〇も〜っと!いろいろなプ高女

……え、講義編が長すぎて引いてる?読むのやめてる?

 

…………。

 

るっせっせっせっせっせえ〜〜〜〜〜〜!!!!!!!!!!!!!!!

控ええええええええい控ええええええええい!!!!!!!!

前室に控ええええええええい!!!!!!!!

 

読み飛ばされるの恐れて……言いたいこと削っちゃ本末転倒蛇狼崖(だろうがい)!!!!!!!!!


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長々述べててアレですが、「キレ」うんぬんは上級者向けです。サンプルもそう多くはないですし、そもそもがわたしのフェチズムですし。(はわわ~)(オレでなきゃ見逃しちゃうね的なね……)

実際のところプ高女(※)*16の領土は、も〜〜〜っと広い!!!!

 

なにも「キレ」なくともよいのです。プライドの高さがあらわになる瞬間は、他にもいろいろあるのです。以後簡単にかいつまんでご紹介です!

 

 

例えば、プライドの高さゆえに挫折を選んでしまう例は少なくありません。

負荷を自分から背負い込みすぎてしまった結果、自分の実力が伴わずにすべて投げ出してしまうパターンです。

東京ミュウミュウ藍沢みんとさんがそれで、典型的な大金持ち・お高く止まったお嬢様キャラだった彼女はアニメ版第21話で一度東京ミュウミュウを脱退しかけます。

作中では「彼女は頭のいい子だから考え過ぎてしまうのだろう」と説明されていましたが、これはむしろチームが掲げていた「世界を救う」という目的がいきなり彼女のペルソナに成り代わり、肥大化した目的に自分の想像力が追いつかずに完璧主義であった自己像が自壊してしまった。

その防衛反応としての自暴自棄だったと思われます。これも一種の「キレ」でしょう。

 

他にダンス・ダンス・ダンスール」生川夏姫さんがその例に挙げられます。彼女は名門バレエスクールを運営する家の娘として恵まれた環境と期待の中で、成長する体の変化に追いつけないジレンマからバレエ選手としての道が閉ざされてしまったように感じ、塞ぎ込みます。

 

反対に、逆境にあって自分を奮い立たせるプ高女もいます。

アイカツ!神崎美月さんは作品世界で無二無双のトップアイドルですが、自分に並び立つアイドルがあらわれないことから、芸能界の革新を一手に背負いこむ自負の強さとストイックさの持ち主。自分に対するそうした厳しさからスケジュールを詰め込みすぎた結果、シリーズ無印集大成の大きなライブ直前に過労でぶっ倒れます。

しかし満身創痍にあってなお、ステージに上がる神崎美月は自分の他にいないのだと立ち上がろうとする姿勢には胸を打たれます。

彼女は「かくあるべきトップアイドルの自分」の前に、自分の体がついていかないのを認めてなお、2つの「自分」に負けまいと戦っていたのだと思います。

 

黒須あろまさんは似た型で、同時に対照的でもあります。

彼女は「プリパラ」第2シーズンの登場人物で、はじめはオリジナルに作り上げた「悪魔アイドル」のコンセプトのもと、徹底した自己プロデュースと智略で暗躍し、注目をかっさらいます。しかしシーズン中盤では体力に乏しいなどキャラクター性だけでは補いきれない部分が露呈し、友人のキャラクターが新ユニットに選ばれる過程を通じて「凡才」であったことが明らかになります。

しかし彼女は友人を気丈に送り出し、陰では人に知られないよう一層の努力に励みます。こうした隠れた地道な努力シーンが描かれることで、前述の彼女が作りこんだキャラクターもまた人には見せない試行錯誤の賜物だったとわかるようになっており、へこたれることなくひたむきな強い芯を持った人物であると、これまでのキャラクター造形を裏打ちしています。*17

 

 

また、生育歴が作るプライドの高さも見逃せません。

恐らくこれがもっとも多いパターンで、いわゆるお嬢様キャラのような、何一つ不自由ない暮らしとそこからくる自己肯定感の強さから、傍若無人な性格のキャラクターは誰しも見覚えがあるでしょう。

しかし、しゅごキャラ!に出てくる真城りまさんは、特異かつ象徴的なキャラクターです。

彼女は容姿の良さからクラスの男子を手下のように従え、学校行事や役割も蔑ろにする鼻持ちならない問題児として最初描かれていました。が、実は過去に誘拐未遂に遭ったことで過保護になった両親に対し、自分の感情を伝えられない、言いなりの人形のようになっていることが明らかになります。

その結果自分の本来のキャラを封じ込め、両親ほか同級生に対しても作っておいたキャラを手放せない、不自由な行動を強いられることになっていたのでした。

外面と内面のギャップに縛られて、そのうえでペルソナを先行させざるを得ない、そうした人格を作り上げざるを得なかった悲劇的なケースと言えるでしょう。

 

反対に、あるきっかけを得て高いプライドを手に入れた後天的なケース。

いろいろなパターンが考えられますが、例えば「憧れていた上司が自分になにも告げずにある日突然去った」ことで性格が一変したBLEACH砕蜂さん。

彼女はその事件を境に、それまで憧れていた四楓院夜一を「自分に屈辱を与えた仇」「属する組織(護廷十三隊)の逆賊」に位置にまで貶め、復讐を誓うことで自分を鍛え上げます。

しかしそれは体裁上の理由(これもまたペルソナでしょう)で、じっさいは「憧れの対象に置いていかれた遣る瀬無さ」が転嫁した憎しみ……愛情と裏返しの憎悪だったわけです。

砕蜂さんの場合、精神的な支柱である「夜一様」の失踪前後で「過去の自分」と「現在の自分」を対照させていることが興味深いです。つまり屈託を媒介とすることで過去と現在を結びつける、一貫した時系列がプライドの高さによって形成されている。言い換えれば、そうでもしなければ耐えられなかった。

後天性のパターンはこうした「きっかけ」が人格形成の軸になっているように思います。

 

最後に、フィクション特有の現実味の一切ない特殊な設定がプライドを授けるケースもあります。

美少女戦士セーラームーンのメインキャラクター「セーラー戦士」たちは、人知を超えた運命によって、地球の平和を守る役割を与えられた特殊な戦士たちです。

彼女は物語中にその役割を与えられて、月野うさぎセーラームーンに、というように日常とはまったく別の世界線による人格を得ることになります。そうした運命の導くまま、彼女たちは大きな目的を持った戦士として行動することになりました。
愛野美奈子さん、火野レイさんが言い放った

 

「もうとっくにあたしには

 命を捧げたたった一人の人がいるわ」

「そうよ だからあたし達 

 男なんかお呼びじゃないのよ 悪い?」*18

というセリフは、そうした彼女たちの戦いにかける目的意識の強さと、誇りの高さをあらわしています。

 

またローゼンメイデンに登場するのは意思を持つアンティーク・ドールローゼンメイデン」の名を持つ七体の人形ですが、彼女たちもまた誕生と同時に「互いに戦い合って至高の存在になる」使命を与えられた、ある意味では自由のない機械的な存在です。

しかしそれがために彼女たちは使命のために生命を捧げ、その中で役割をまっとうするために生きること、すなわち「誇り高いローゼンメイデン」を自認することで喜びを感じています。

セーラームーン」「ローゼンメイデン」のケースは、超越的な存在によって、自分の存在事由とともに目的、つまり外面を一方的に与えられることで、むしろ後から内面をそこに沿わせてゆく特殊なものです。

 

……以上、ここまで見てくるとやはり「外面と内面の乖離、あるいはギャップ」が必要なのだとわかります。

他人に見せている部分と見せない部分の折り合い、折衝……そこに物語が生まれて、い〜〜〜い出汁がでてくるわけなんですね……。

 

言うなれば「どうバランスを取るのか?」という問題。これは、彼女たち個々に置かれた環境と自分の能力とから変わってくるので、一概にどう、という答えはありません。

しかしそれはわたしたちも同じじゃないですか……?

誰しも個々に違う世界のなかで、自分の生きる道を選んでいくわけですよね。誰しもプライドの欠片を持っている……否プライド高くあれ……、つまり

 


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ここに滋養がすごいある……。すごい助かる……あらいぐまタスカル……


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タスカリニアデビルが出てきてしまいました。失礼しました。*19

 

*20

 

 

〇本当の本当のまとめ!!!!!!!!!

 

えーーーーー、息継ぎ一切なしでここまでまいりました……。

名残惜しいですが、最後となりました……。プ高女(※)*21の奥深くまた雄大な世界の一端でも、おわかりいただけましたでしょうか?

またお会いできる日を願いつつ……

みんなのでえーーーっスッキなプ高女をいっぺえ教えてほしいんだぞ〜〜〜〜〜〜!!!!!!!!!

それでは、エリカゆうでした~~~~~~~~~!!

 


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*1:”プ高女”の略称については、筆者が私的な交友間でのみ2021年末~2022年初頭から使いはじめたのですが、この記事を書くにあたって調べたところX(旧Twitter)で遡れる限りは2021年3月時点ですでに用いている方がいらっしゃいました。慣用的に恐らくもっと前から俗称として伝わっていそうです。偶然ではありますが同様の表記を先達に敬意を捧げつつ使用してまいります。

*2:日本国語大辞典 第二版 第十一巻』 2002年3月1日 第二刷 小学館

*3:プーさんに高額の物品その他を貢ぐ女性ではない

*4:鉛筆の模写をアイビスペイントで線画抽出し色をつけているとき、模写ばかりの落書きノートを作って休み時間ごとに友達と見せ合いっこしていた中学一年生のころの気持ちを思い出さなかったと言えば嘘になる。白く光りすぎて窓の向こうはよく見えなくって、そのせいか教室の中はいつも暗く陰っていた気がする、あの季節。

*5:Amazon Primeにて確認 2023年8月23日

*6:画像は集英社HPよりダウンロード

*7:マリア様がみてるコバルト文庫 集英社 2010年第26刷

*8:画像はタスマニアデビル

*9:アニメは終わったけどその後小説とかスピンオフ劇場作品とか展開してったからね。特にこの「小学校卒業後」を扱った小説シリーズ「おジャ魔女どれみ'16」は絶対に読もうな。いやもうこっちが本編まである。マジで。絶対に読んでな?

*10:筆者の独断に基づく

*11:画像は映画「魔女見習いを探して」公式HPよりダウンロード

*12:ジュニアアイドルのこと?この言葉おジャ魔女でしか聞かんくないか

*13:例えばお嬢さまキャラが多少無茶をしても、支払い能力を盾にチャラですますことができる、というのもそうですね。(爺や、破損した校舎の修繕費は我が家で立て替えておきなさい……)

*14:前者は「HUNTER×HUNTER」、後者は「呪術廻戦」の用語。縛りを設けることで自分にバフをかけ、さらに制限を解除し生死を賭ける段階までいって絶大な力を得る

*15:ありがてぇありがてぇ……

*16:プリキュアはごめんハードル高くてほぼ未履修やねん女子ではない

*17:「プリパラ」で言えば他に東堂シオンさんが①出生型の、華園しゅうかさんが③兼ね型のプ高女だと思います。

*18:美少女戦士セーラームーン 完全版9巻』講談社 2014年 ”たった一人の人”とは月野うさぎことプリンセスセレニティのこと

*19:本人は「バッキャロー あらいぐまなんかよりかわいいオレっちが出てきたほうがみんな嬉しいだろーがよーっ」と申しております

*20:【捕捉】「プライド」の類語には自尊心、自負心、矜持……などなどありましたが、もっと見ていくと「気位の高さ」、「負けん気の強さ」、「気が強い」、といった言葉もありました。

しかしここまで見てきたことによれば、単なる「気の強さ」では「プライド」を説明できないことがわかります。

例えば「花より男子」の主人公・牧野つくしは、金持ち学校に入学してしまったことで、同級生の金持ち集団から庶民であることを理由に受ける嫌がらせに対して「雑草魂」を掲げ、彼らと張り合っていく様が描かれました。

彼女の行動は「気の強さ」で説明がつきますし、生来の環境に根ざした信条も持っているのですが、それはあくまで金持ちに囲まれている状況に対応した当座のものでした。そこを切り取って「プライドが高い」ということもできそうですが、それに伴ってどんな振る舞いをするか、など、これまで見てきた観点とは乖離がありそうです。

*21:プージャ着てるありがたい高校生女子のことではない。プージャ懐かし(笑)みんなわかる?(笑)は?なに笑ってるん?